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2020年3月19日
注目- [航空の代替輸送。国際フェリー・RORO船、中国発貨物が流入]

 【関西】新型コロナウイルス問題に関連し日中、日韓で航空貨物スペースが逼迫(ひっぱく)する中、西日本発着の国際フェリー・RORO船を代替ルートにする動きが始まった。船社関係者によると、実荷主、フォワーダー双方から既に利用があるという。9日以降、中国と韓国からの航空便が成田、関西の両空港に制限されたことも、海上輸送へのシフトに拍車をかけている。

 西日本と中・韓を結ぶ国際フェリー航路では、政府要請に基づき旅客の取り扱いが停止となる一方、貨物輸送は各社が通常通りサービスを提供している。

 

 貨物流入について、関係者は「単なるトライアルにとどまらない動き」と話す。当日CYカットやスケジュール安定性など、リードタイムで航空貨物輸送に対抗できる利点を生かし、貨物獲得につなげている。

 背景には航空貨物のスペース確保が困難で、運賃も高騰している現状がある。「エアの利用は採算度外視の様相」(船社関係者)といい、春節(旧正月)休み後の中国の工場稼働再開が遅れる中、緊急輸送のニーズは依然高いようだ。

 RORO船も需要が高まる。中国・太倉-下関の蘇州下関フェリー(SSF)によると、東航(太倉発)の貨物が増加傾向にあるという。「スペース的にはまだ対応が可能」(同社幹部)といい、さらなる利用を促す意向だ。

 フェリー、フォワーダー双方の関係者の話を総合すると、中国発貨物を韓国経由で運ぶ複合輸送の利用も拡大しているという。日韓のフェリー航路を利用してきた荷主、フォワーダーを中心に活用が始まっている。

 船社営業関係者は「これまでBCP(事業継続計画)の観点からフェリー活用を呼び掛けてきたが、日本側で何か起きた場合を念頭としていた」という。中国側がボトルネックとなり貨物が流入するのは、あまり例のないケースとなる。

 

日本海事新聞 電子版 2020年03月16日 デイリー版3面 物流/港運 より

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